2011/06/04
政府系委託研究の受入手続について思うこと
昨今の大学経営において,外部資金,特に政府系・公共系の競争的研究資金を獲得することは研究機関の研究活動を活性化する意味でも,また大学経営を安定させる意味でも重要な活動となっています。筆者が勤務する大学においても例外ではなく,筆者も現在はK済3業省の委託研究にリサーチ・アドミニストレータとして参加しています。
現在参加しているK3委託研究ですが,3月に提案書提出,4月に採択通知受理,現在は受入手続を進めています。そして,この受入手続がかなりのクセモノとなっています。
受入手続にあたって,見積書と事業実施計画書を提出しなければならないのですが,受入段階であるにも関わらず,事細かに記述しなければなりません。科研費と比べると格段に詳細な記述を求められています。
どのあたりが詳細かというと,見積書については,積算資料及び積算根拠書類を添付する点です。実際に使用する物品を型番・仕様まで記述し,価格については市価を調査する。特注品等は見積書を添付し,調達時には相見積や競争入札を実施する旨を記述する。この他にも旅費については合理的経路であることを示す資料(駅スパートの経路検索情報等)を添付するとか何とか。経理担当者いわく,「実績報告書のような見積書だ…」と。ただ,他業種での経験を思い出すと,建設・建築等は,現在要求されているような積算・見積を提出していたような気がします。業務委託なので当然といえば当然なのですが。
計画書については,目的,目標,成果,計画を具体的かつ明確に記述するように求められています。これは提案書の段階でも求められることなので,特に問題ではありません。
ただし,プロジェクト・マネジメントの観点に立つと,提案段階の計画と実施段階の計画とでは詳細さに大きな違いがあります。前者においては分類水準で事足りますが(もちろん表記上のこと,それなりに内容も詰めておく必要はある),後者においては作業水準の詳細さが必要になってきます。つまり,WBSと対応する必要があるわけです。これに加えて,資金計画や要員計画とのリンクも必要になってきます。このあたりのことを理解していない方は,かなり存在しているのではないかと思います。今回の委託研究では,ここまで要求されていませんが,成果に対するコミットメントが必要な委託研究では考慮しておくべき点だと思います。
ここまでの受入の経緯を考えると,K3省的には,「研究を委託する」というより「(研究)業務を委託する」という認識なのではないかと考えられます。そんなわけで,採択通知から2ヵ月経過していますが,まだ受入手続をしています。早く実施フェーズに移行したいです。