研究成果の社会還元。
長らく言われ続けている言葉ですが,きょう,この言葉を心の底から実感しました。
職場で定期購読(本当に購入しているかは不明)している雑誌に,科学技術振興機構(JST)が発行している「産学官連携ジャーナル」というものがあります。送られてくるたびに職場で回覧しているのですが,今日に限って,何の気なしに手にとってみました。
特集で「東日本大震災」における情報通信技術の活用を取り上げていました。その特集の一つが「ブロードバンド回線を緊急構築した研究者たち」というものでした。ここで紹介されているブロードバンド回線の中核を担っているのが,超高速インターネット衛星「きずな」(開発名:WINDS)です。この人工衛星は,情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって,2008年2月に打ち上げられました。
前職では,この人工衛星を使って遠隔教育システムの実験に取り組んでいました。そんなこともあって,この特集はしっかり読んだのですが,やはり自分も関わっていた人工衛星だけに感じるものがありました。素直に言うと,「嬉しかった」かな。また,わたしの知人は現場に直接乗り込んでいたので,その苦労は想像に難くなく,重要な仕事に敬意を想起していました。
WINDSの利用実験は多岐にわたっており,今回の大震災で現場展開の機会を得た災害支援実験から,わたしが携わっていた遠隔教育実験まで,さまざまな研究成果が得られています。そして,WINDSそのもの,それを打ち上げたロケットに関する技術研究・開発…数多の研究成果が,未曾有の危機に際して社会へと還元されたと思います。
ただ,記事を読み終えて,うっすらとこみ上げてくるものがありました。自分の関わったことのある衛星の活躍が嬉しかったからなのか,その現場から離れていることへの寂しさからなのか…。それとも,研究を中断して,初めて実感した「研究成果の社会還元」に対する感情からなのか。総じて,WINDS実験が充実していたということなのでしょう(いろいろと気分の良いこと悪いことありましたけどね)。
最後に,JSTの「産学官連携ジャーナル」は下記のアドレスで読むことができます。ぜひ一読下さい。
■JST「産学官連携ジャーナル」
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