2011/07/22

科学技術振興機構「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」結果発表

今週、A-STEPの第一次募集分の審査結果が発表されました。勤務先では10件の応募があって、3件が採択されました。応募数、採択数ともに少ないのですが、採択率30%を良しと見るか悪しと見るか微妙なところです。

申請支援に関する個人成績は、4件の申請支援に対して2件の採択となりました。支援採択率50%と全学占有率66%は悪く無いのですが、サンプル数が少ないので何とも…。また、教員が持ち込んだ申請書にかなり修正を加え、見解書もしっかり調べて書いた申請書1件が不採択になったことも悔しい限りです。ただ、不採択Aだったので、次につながるのではないかと。

第二次募集もあるので、不採択だった方には、修正を提案して再度挑戦して欲しいです。

2011/06/21

雑談

清流の清流たる所以は,水の流れにある。
清流といえども,ひとたび流れを失い,一つところに留まれば,澱み,腐るものである。

誰が言ったか知りませんが,とある出来事をきっかけに脳裏に浮かんできました。あまり人の動きがない組織は馴れ合いが多くて,仕事に対する責任感に欠ける人が多いような気がします(現職場だけかもしれませんけど)。

気持ちよく仕事をすることができれば,多少のトラブルは何てこと無いわけですが,仕事の場をお膳立てできないマネジャーでは,それも期待できるわけもなく…キーワードを拾って条件反射的に仕事を割り振ることがミスの温床になっていることにも気づいていない様子。このあたりの背景が,課のパフォーマンスを低下させている要因になっていると思われます。

業務が整理されていないことも,低パフォーマンスとミス発生の多さに拍車をかけており,これが悪循環を生み出しています。不合理な業務分担が,非効率な業務遂行につながり,ミスの温床を形成する。ミスが発生するたびに不慣れな仕事が不合理に割り当てられるにもかかわらず,そのバックアップ要員はなし。こうして悪循環はとどまることを知らず,きょうも新たなミスの種を生み続ける。

人も仕事もきれいな流れが脈々と続かないことには,うまく進んでいかないものなのかもしれませんね。

2011/06/04

政府系委託研究の受入手続について思うこと



昨今の大学経営において,外部資金,特に政府系・公共系の競争的研究資金を獲得することは研究機関の研究活動を活性化する意味でも,また大学経営を安定させる意味でも重要な活動となっています。筆者が勤務する大学においても例外ではなく,筆者も現在はK済3業省の委託研究にリサーチ・アドミニストレータとして参加しています。 

現在参加しているK3委託研究ですが,3月に提案書提出,4月に採択通知受理,現在は受入手続を進めています。そして,この受入手続がかなりのクセモノとなっています。 

受入手続にあたって,見積書と事業実施計画書を提出しなければならないのですが,受入段階であるにも関わらず,事細かに記述しなければなりません。科研費と比べると格段に詳細な記述を求められています。 

どのあたりが詳細かというと,見積書については,積算資料及び積算根拠書類を添付する点です。実際に使用する物品を型番・仕様まで記述し,価格については市価を調査する。特注品等は見積書を添付し,調達時には相見積や競争入札を実施する旨を記述する。この他にも旅費については合理的経路であることを示す資料(駅スパートの経路検索情報等)を添付するとか何とか。経理担当者いわく,「実績報告書のような見積書だ…」と。ただ,他業種での経験を思い出すと,建設・建築等は,現在要求されているような積算・見積を提出していたような気がします。業務委託なので当然といえば当然なのですが。 

計画書については,目的,目標,成果,計画を具体的かつ明確に記述するように求められています。これは提案書の段階でも求められることなので,特に問題ではありません。 

ただし,プロジェクト・マネジメントの観点に立つと,提案段階の計画と実施段階の計画とでは詳細さに大きな違いがあります。前者においては分類水準で事足りますが(もちろん表記上のこと,それなりに内容も詰めておく必要はある),後者においては作業水準の詳細さが必要になってきます。つまり,WBSと対応する必要があるわけです。これに加えて,資金計画や要員計画とのリンクも必要になってきます。このあたりのことを理解していない方は,かなり存在しているのではないかと思います。今回の委託研究では,ここまで要求されていませんが,成果に対するコミットメントが必要な委託研究では考慮しておくべき点だと思います。 

ここまでの受入の経緯を考えると,K3省的には,「研究を委託する」というより「(研究)業務を委託する」という認識なのではないかと考えられます。そんなわけで,採択通知から2ヵ月経過していますが,まだ受入手続をしています。早く実施フェーズに移行したいです。



2011/05/26

研究成果の社会還元



研究成果の社会還元。 

長らく言われ続けている言葉ですが,きょう,この言葉を心の底から実感しました。 

職場で定期購読(本当に購入しているかは不明)している雑誌に,科学技術振興機構(JST)が発行している「産学官連携ジャーナル」というものがあります。送られてくるたびに職場で回覧しているのですが,今日に限って,何の気なしに手にとってみました。 

特集で「東日本大震災」における情報通信技術の活用を取り上げていました。その特集の一つが「ブロードバンド回線を緊急構築した研究者たち」というものでした。ここで紹介されているブロードバンド回線の中核を担っているのが,超高速インターネット衛星「きずな」(開発名:WINDS)です。この人工衛星は,情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって,2008年2月に打ち上げられました。 

前職では,この人工衛星を使って遠隔教育システムの実験に取り組んでいました。そんなこともあって,この特集はしっかり読んだのですが,やはり自分も関わっていた人工衛星だけに感じるものがありました。素直に言うと,「嬉しかった」かな。また,わたしの知人は現場に直接乗り込んでいたので,その苦労は想像に難くなく,重要な仕事に敬意を想起していました。 

WINDSの利用実験は多岐にわたっており,今回の大震災で現場展開の機会を得た災害支援実験から,わたしが携わっていた遠隔教育実験まで,さまざまな研究成果が得られています。そして,WINDSそのもの,それを打ち上げたロケットに関する技術研究・開発…数多の研究成果が,未曾有の危機に際して社会へと還元されたと思います。 

ただ,記事を読み終えて,うっすらとこみ上げてくるものがありました。自分の関わったことのある衛星の活躍が嬉しかったからなのか,その現場から離れていることへの寂しさからなのか…。それとも,研究を中断して,初めて実感した「研究成果の社会還元」に対する感情からなのか。総じて,WINDS実験が充実していたということなのでしょう(いろいろと気分の良いこと悪いことありましたけどね)。 

最後に,JSTの「産学官連携ジャーナル」は下記のアドレスで読むことができます。ぜひ一読下さい。 

■JST「産学官連携ジャーナル」 
 http://sangakukan.jp/journal/ 




研究費あれこれ(3)電子辞書を欲すれば



ちょっと時間が空いてしまいましたが、研究費あれこれの第3回目です。 

このところ事務所への怒鳴り込みがなかったので、静かに仕事ができていたのですが、先週は久しぶりにありました。用向きは「個人研究費で電子辞書を買えるようにしろ!」というものでした。 

うちに関しては、よくある話なのですが、他でもあるんでしょうか?常識的に考えて、電子辞書は研究費で買っていい物品なのではないかと。まぁ、諸悪の根源は、前回記事にした使途範囲表なんですけどね。例の表が買ってはいけない物に分類しているので、買えないわけです(笑)。 

しかし、電子書籍の購入がよくなりつつあるのに、電子辞書がダメなんて変な話です。Kindle+電子書籍(辞典)という構成で伝票が上がってきたらダメなんかな?その時の反応を楽しみに待つことにしましょうか。 

ところで、研究に辞書が必要なことは言うまでもないのですが、これから電子辞書を購入するってことは、現在は紙ベースの辞書を使っているということなのか?考えてみると、いろいろとツッコミどころがあるな…。 


2011/05/15

科研費補助金(研究活動スタート支援)公募終了

春科研(個人的な呼び方です)の申請が終了しました。とは言え、書類整理やら反省会やら残っていますけど。申請数は昨年に比べて微減でした。震災の影響は否定できませんが、準備期間が短かったことも手伝っていると思います。 

今回の申請を概観した所見では、最終的に採択水準と思われるところまで到達した研究計画調書は3割程度でした。なかなか厳しい数字です。個人的な目標は、支援案件の採択率が5割を超えることなので、もう少し手応えが欲しかったところです。JSTやら民間財団やら並行して支援していたので、科研費に十分なリソースを割り当てられなかったことが原因だと思います。仕事のやり方を見直さなければなりません。 

あと、研究活動スタート支援は、研究者に対するインストラクションが難しいな。若い研究者が多いので、なかなか手を焼いてしまう。素直に聞き入れる人もいれば、意固地になったり、生意気だったり、面倒な人も多いわけでして。業績は無いに等しいにも関わらず、態度だけは大教授とか。 

そういえば、今回も非常識な発言をする人が多かったなぁ…。研究経費明細について「なんでこんなに詳しく書かないといけないんですかぁ?」とか、「何を具体的な課題に設定すればいいんですかぁ?」とか!!どっちもダメダメですね。前者については、原資が税金だから適正な使用を実現するためにも詳細な予算計上を心掛ける必要があるわけです。後者については、研究者を辞めた方がいいのではないかと。 

あと、業務体制にも問題がありましたね。キャンパス間で連携がとれていなかったし、これに起因して重要な処理の実施時刻が連絡されていなかったので、危うく申請事故を起しかけました。他大学ではどうやってキャンパス間の連携をとっているんでしょうか。 

今回も課題山積です。秋科研に向けて一つずつ解決していかなければ。

2011/05/11

科学技術振興機構「研究成果最適展開支援プログラム」公募終了

本日12:00に研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の公募が締め切られました。今年からコーディネータ見解を書くスペースが大きくなったので,それなりに苦労しました。見解書は4件を担当しましたが,医療,電子,生物,機械と,まったくの別分野ばかりだったこともあって,学術調査と産業調査にかなりの時間を費やしました。ただ,それなりに勉強になったので充実感はありました。 

この競争的研究資金は,その名が示すとおり,大学などの研究機関で生まれた研究成果について,産業界への技術移転を通じて,広く社会に還元しようという趣旨のものです。そのため,研究成果の発展段階に応じて審査区分が設定されています。ただ,研究成果がどの段階にあるか判断することが難しいので,コーディネータの目利きや見解・評価が重要になってくるわけです。 

さて,今週はまだ科学研究費補助金(研究活動スタート支援)の締切があるので,休んでいる暇もないです(日記を書く暇くらいはある)。

2011/05/05

科研費補助金(研究活動スタート支援)絶賛支援中

世間は連休ですが,大学では授業日数確保のため仕事をしています。現在,研究活動スタート支援の調書作成支援が佳境を迎えています。一昨日は,60分/回の面談を30分間隔で6人こなしました。夕方には声も枯れます。 

昨年度は文系を支援していましたが,今年度は理系を支援しています。昨年度と比較すると意外にやりやすいです。なんというか,わたしは数学やら物理の用語で例示をすることが多いのですが,さすがに理系キャンパス,数物系は言わずもがな生物系の研究者でもスンナリわかってくれます。この辺が文系と比べてやりやすい部分でしょうか。その他に、調書がもとから理系向きにできているという点もあります。 

あと,理系キャンパスの外部資金業務を統括する立場になって,仕事にある程度の裁量がきくようになったことも大きいと思います。無能で口やかましい上司がいない環境は素晴らしい! 

連休も休みなく働くわけですが,科研費以外にも科学技術振興機構系の申請書や,経済産業省の採択事業を受け入れる手続きなど,パラレルに進んでいる仕事があります。3~5月は,9~11月と同じくらい忙しいです。年中繁忙期とも言われていますけどね(笑)。

2011/05/03

平成23年度科学研究費補助金の審査結果



平成23年度科学研究費補助金の審査結果が公開されました。申請を支援したプロジェクトの採否状況は下記のとおり。 

基盤A 0/1 ( 0%) 
基盤B 4/8 (50%) 
基盤C 4/8 (50%) 
若手A 担当案件なし 
若手B 2/8 (25%) 
萌 芽 0/2 ( 0%) 

※上記は「種目 採択数/申請支援数  (支援採択率)」となっています。 

基盤系が善戦したものの,若手・萌芽が足を引っ張った感じです。文部科学省は若手系の支援採択率を30%まで引き上げると言っていたので,もし全体としてその水準なら苦戦した格好です。来年度に向けての課題は,「若手系の支援採択率をいかに引き上げるか?」ですね。


審査結果を見るときに見落としがちなので,採択プロジェクトの充足率について少しだけ書いておきます。この充足率は, 研究経費積算の適正度を計っている側面もありますが,研究内容の重要度も表しています。つまり,重要度が高いと判断されたプロジェクトは充足率も高くなるということです。例年,基盤系の充足率が70%程度であることを考えると,充足率が80%を超えるようなプロジェクトは重要度が高いと判断されていることになります。今回の採択プロジェクトでは,充足率80%以上の案件が3件あったので,支援採択率以上に満足しています。

さて,好調だった基盤系ですが,そのうち2件ほどは,わたしがほぼ全面的に書き直した調書がありました。喜んでいいのやら,悲しんでいいのやら,何とも複雑な心境です。それは,ともかく自分の年俸分以上に補助金を引っ張ってこれたのでよかったのではないかと。 



2011/04/18

研究費あれこれ(2)使途範囲表

理不尽の最たる例が、この「使途範囲表」です。これは研究費の使途を品目で制限しており、原則、この表に掲載されていない物品は購入できません。理由書を添付して、その理由に事務長が納得すれば、例外的に支出が可能になります。 

この時点で研究者側から見て理不尽な点が二つあります。一つは、研究費の使途が、研究内容に関わらず使途範囲表によって制限される点。もう一つは、研究費の支出に関して事務長の納得を得ないといけない点です。 

まず前者について、研究で必要になる物品はあらかじめ分かるものと、そうでないものがあるので、使途範囲を事務が決め付けることはできないはずです。そして、これが研究に近い部署で作成されているなら得心もいくのですが、出納しかしない財◯部で作成されているから驚きです。研究を知りもしない部署が研究費の使途を制限しようなんてちゃんちゃらおかしいし、ヘソで茶が沸きます。内容的にも問題があるのですが、あり過ぎてキリがないので、後日書きます。 

後者についても同様で、事務長が納得しない限り支出できない。先日は、「駅の売店で売っている雑誌は学術書ではないから、『世界』も『思想』も支出できない」とのたまっていました。この2冊、どちらも学術論文で引用されている雑誌であることは、人文・社会科学分野の研究者なら常識だと思います。研究を知らない、理解のない人が研究事務の責任者になると、その大学の研究活動を殺しかねないよい例だと思います。 

この1年間、何かにつけて理不尽を説いてきましたが、改善の気配はまったく見られません。どうしたものか、個人的にはよりよい研究環境を提供できるようにしたいのですが、なかなかね。


(つづく)

2011/04/16

研究費あれこれ

新年度になって新任教員が入ってきました。現在、毎年恒例の研究費使用説明会を各キャンパスで開催しています。わたしは科研費の使用説明会にしか関わっていませんが、全学共通の使用マニュアルに基づいて説明しているので、科研費制度に特有の運用を除いては、他の研究費も似たような説明になっています。 

近年、公的研究費の監査は年を追うごとに厳しさを増していますが、目的にかなった支出で、かつ正当な理由(研究遂行上の必要性)があって、不正と判定された例はありません。このように言えるのも不正防止計画の策定で調査したり、他大学の担当者と情報交換したりしているからなのですが、このような状況を踏まえて考えても、うちの研究費の使用ルールは理不尽だと思います。 

どのあたりが理不尽か、いくつか具体例をあげて考えてみましょう。 

(つづく)

2011/04/11

プレゼンテーションについて思うこと

昨日は出勤してプレゼンテーションの資料を作っていました。というのも、週明けに科研費(研究活動スタート支援)のガイダンスで話すからなんですが、当初は前年の資料を少し修正するだけのつもりでいたわけで、自分で一から作るつもりはありませんでした。それが、修正と下読みのためにファイル開いてみたら、!!?!ってな感じで作り直し始めたのでした。 

プレゼンの内容は科研費制度の概要と研究計画調書の書き方に関するもの。それなのに内容が未整理の状態でプレゼンしたとあっては、聞いている方は理解もできないし、話している内容を信用できないのではないかと思います。少なくとも、わたしはそうです。前任者の神経はどうかしていると思うし、それを放置していた上司の責任もあると思う。 

一つ一つのプレゼンには目的と目標があるわけで、それを意識した構造やデザインを資料に落とし込む必要があります。以前に「プレゼンテーション ZEN」という本を読んだことがあります。この本ではプレゼンテーションにおけるコンセプトの重要性が説かれています。まさに目的や目標といった部分を大切にして、それをうまく伝えるためのプレゼン資料を作ろうというものです。 

週明けのガイダンスで出席者に満足してもらえるように資料を作り上げなければなりませんね。